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この記事は2022年夏休み特集のものです。最新トピックスはこちら
「働かないでお金がほしい」、誰もが一度は思ったことがありそうな願い。その夢をかなえるべくオーナーになったマンションが、実は“訳アリ”だったら……。本格ホラーなテイストと型破りな発想が合体した漫画に、Twitter上で10万いいねを超える大注目が集まっている。
貧しさからバイト三昧だった人生の反動で、思い切ってマンションのオーナーとなった東雲薫(しののめかおり)。夢に見た不労所得を手に入れた薫だったが、中古物件とは言え自分が購入できる額だったのを不思議にも思っていた。もちろん、うまい話には裏があるもの。薫が手にしたマンションは、「幽霊が出る」訳アリの物件だったのだ。
心霊現象の起こる物件に住みたがる人がそうそういるわけもなく、入居者不在の状況に途方に暮れる薫。神頼みにと近所の神社に立ち寄るが、放置されて荒れ果てたお社を見て、薫はとあるアイデアを思いつく。
一方、その神社の境内では、子供たちが「だるまさんが転んだ」で遊んでいた。すでに日は沈み、時間も忘れて遊びに没頭していたことに困惑する子供たち。そして、鬼をつとめる遊び友達が、実は誰も知らない存在であることに気付く。
だるまさんが転んだの掛け声で振り向いた鬼役は、歯を剥き出しにした口が体中についた異形だった。その姿にひるみ動いてしまった子供たちは、体が割け、口を生やし、異形と同様の姿となってしまう。
唯一「だるまさんが転んだ」で動かなかったことで難を逃れた少年は、「カミキリ様に気ニ入らレたらお許シ出ルマで帰れナい」「カミキリ様が帰らレるまでお相手せヌ者魅入られル」という異形の言葉に恐怖し、その場から駆け出す。だが、“カミキリ様”を称する異形は少年を鬼として、だるまさんが転んだを続ける形で追いかけてくる。捕まることを覚悟した少年だったが、振り向くとカミキリ様の後ろに、虫取り網を構えた薫の姿があった。
「オバケ捕まえたぞ!!」と、カミキリ様を抑え込む薫。遊びを邪魔されたことに激怒するカミキリ様だったが、薫はあっけらかんと「君マンションに住んでみない?」と提案する。そう、薫が神社で思いついたのは、お化けや幽霊を入居者とした心霊マンションとすることだったのだ。
薫の突拍子もない提案に、呆気にとられるカミキリ様。だが、古くは神社の主として拝まれながらも、荒廃から訪れるものも途絶えていたことに思うところがあったのか、魅入られていた子供たちを元の姿に解放し、薫のマンションへの引っ越しを決めた。
そして、なんと薫は魑魅魍魎(ちみもうりょう)から家賃収入を得るために仕事を斡旋。101号室に晴れて入居したカミキリ様は、人々の「お悩み相談」に対応するコールセンターのオペレーターとして働きはじめるのだった。
同作は、ネブクロ(
@nebukuro41
)さんがTwitterやpixivに投稿していた漫画「訳アリ心霊マンション」の連載版第1話。第17回「くらツイ漫画賞」の大賞受賞作品で、5月から「くらげバンチ」(新潮社)上で、大幅にリメイクして連載がスタートした。
訳アリ物件の経営法とホラー展開の解決策、二重の意味でコペルニクス的転回が冴える漫画に、Twitter上では「いいね」の数が10万件を超える大反響。ユーザーからは「発想がぶっ飛びすぎ」「ギャグの感じとホラーの感じがうまく混ざっててすごく面白いです」と、ホラーとコメディが同居した作風がヒットし、多くのコメントが寄せられていた。
画像提供:ネブクロ / くらげバンチ(新潮社)
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