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この記事は2023年夏休み特集のものです。最新トピックスはこちら
韓国・仁川空港の程近くに位置する「パラダイスシティ」。広大な敷地内に5つ星ホテルをはじめ、レストランやスパ、カジノ、ナイトクラブに遊園地などエンターテインメント施設を完備し、ホテルでバカンスを味わう「ホカンス」の多彩な楽しみ方を提案してくれる統合型リゾートだ。そんな「パラダイスシティ」ではいたるところにアート作品が展示されている。展示作品の一部は、イメージキャラクターのパク・ソジュンさんや韓流スターたちによる豪華な音声ガイド(※)付き。目だけでなく耳からも、新感覚“アートテインメント”を体験することができる。 ※解説は韓国語のみ
日本でアートというと、美術館や博物館へわざわざ足を運んで鑑賞するイメージだ。日常で気軽にアートに触れる機会は多いとは言えないだろう。「パラダイスシティ」では世界トップレベルのアーティストの作品を体感できることを“アートテインメント”と呼び、ホテルステイの魅力の1つとして発信している。ロビーや廊下などのパブリックスペースでは、アートに明るくなくとも耳にしたことがあるような有名アーティストの作品に出会える。現代アートファンにはたまらないだろう。
まず、ホテルエントランスで出迎えてくれるのは、ダミアン・ハーストの「Golden Legend」。翼をもった馬という神秘的な動物の筋肉がむき出しになった半身を表現することで、神話と科学の関係について考察しているという。
ホテルの各棟をつなぐ中心となるスペース「WOW SPACE」に絶対的な存在感で鎮座するのは、日本を代表するアーティスト草間彌生の「Great Gigantic Pumpkin」。草間氏にとって「平穏をもたらす子供時代の心のふるさと」を意味する特別なモチーフだという。高さ2メートル60センチの水玉であふれた黄色いカボチャは、見る者に草間氏の世界観を印象付ける。
ほかにもJaume Plensaの「Anna B in Blue」は、瞑想をしているような少女の姿を表現。世界のさまざまな人種の少女が目を閉じている姿を表現したシリーズの1つ。
「パラダイスホテル&リゾート」とショッピングアーケード「プラザ」をつなぐパラダイスウォークには現在、米国出身のポップアーティスト、ロバート・インディアナの「Numbers, One Through Zero」が並んでいる。誕生を意味する「1」から消滅を意味する「0」まで、人間の一生を象徴している。パラダイスウォークでは定期的に展示作品が変わるため、訪れたときにどんな作品に出合えるかも楽しみの1つだ。
若者からの支持も高いKAWSの作品もある。「Plaza Square」にある「Together」だ。巨大なスケールと親しみのあるビジュアルが調和し、ユニークなギャップを感じさせる。
館内に点在するアートのほか、ギャラリーとして「アートスペース」がある。プラザの一角にある石造りの建物がそれだ。常設展示室と企画展示室からなり、常設展示室の中央にはアメリカを代表する現代美術家ジェフ・クーンズの作品が展示されている。白い石膏で模した古代ギリシャ彫刻などに、青いガラス玉を乗せて完成させる「ゲイジング・ボール」シリーズ、「Gazing Ball-Farnese Hercules」だ。
「パラダイスホテル&リゾート」のロビーで出迎えてくれた翼のある馬の彫刻「Golden Legend」の作家、ダミアン・ハーストによる「Aurous cyanide」もここに飾られている。彼の作品の中で最も有名なスポット・ペインティングシリーズの1つで、現在、世界最大のスポットペインティング作品である。
企画展では2023年8月20日(日)まで「TOGETHER」を開催。パラダイスと韓国コンパッションが協力し企画したこの展示は、子供たちの大切な夢をサポートすることを目標としている。家具デザイナーのムン・スンジや、さまざまな彫刻作品を制作するKAPPAOの作品、子供たちが描いた「あなたの夢は?」を表現した絵画などが飾られている。企画展は開催期間が長いものの展示内容は入れ替わるので、訪れるたびに違ったアートに触れることができるのも魅力だ。
世界のアーティストだけでなく韓国アーティストの作品も充実している。「アートスペース」にある「Nike」もその1つ。韓国の代表的な金属造形家Seungmo Parkによるもので、ギリシャ神話に登場する勝利の女神ニケ像を独自の手法で再解釈した作品。
草間彌生の「Great Gigantic Pumpkin」の“上”でキラキラと輝く「Your crystal」は、キム・ミンソンとチェ・ムンソンの夫婦創作ユニット「Mioon」のものだ。
展示は館内にとどまらない。屋外の「Sky Park」には韓国のメディアアートを代表する作家LEE, YONG BAEKの巨大な作品「Goethe」がある。
「パラダイスホテル&リゾート」コンベンション施設の廊下にあるのは、炭の闇と深さを追求し続けているアーティスト、キム・ホドクの「Valley Variation」。
また、そのエントランスにはソウルで制作活動を続けているJe Yeo Ranの「USQUAM NUSQUAM」が飾られている。
これらは「パラダイスシティ」で展示されている作品のごく一部だ。多くの作品にQRコードが付いていて解説をWEB上で確認できるので、アートに覚えがなくても楽しめる仕組みになっている。また、音声ガイド付きの作品ではイ・ビョンホンやパク・ソジュンら韓流スターによるガイドを聞くことができる。自分のためだけに語りかけてくれるような解説は、ファンにとってはたまらない。世界中のアーティストの作品との距離も近く、美術館などで見るのとは違った体感がここにある。
とにかくその作品数に驚かされる「パラダイスシティ」のアート。1泊や2泊では網羅しきれないほど充実していて、滞在中はアートテインメントをたっぷりと満喫できる。「時の流れと共に完成されていく都市」というコンセプトで進化を続ける「パラダイスシティ」、作品はこれからも増えていく予定だという。
ホテルに滞在しているだけでアートに触れることができる「パラダイスシティ」。これだけの規模の作品に施設内のあちこちで出会うことができ、まさに非日常を体験できる絶好の機会だ。基本的にすべて写真撮影OKなので、アート作品がフォトスポットになるという特別感もある。「パラダイスシティ」に滞在してアートテインメントを存分に味わおう。
取材・文=岡部礼子
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