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この記事は2023年夏休み特集のものです。最新トピックスはこちら
「メリーさんの電話」「さとるくん」など電話にまつわる怖い話は多いが、ここでは、より身近なスマホを介して恐怖が連鎖していく、マルオ (
@f90c89d79366434
)さんのホラー漫画「怖い話を聞かせてください」を紹介しよう。
本作は、オムニバス形式で10話のエピソードを展開している。エピソードごとの時系列はシャッフルされており、最後まで読むと時系列がわかる珍しい手法が使われている。序盤のエピソードは、ある漫画家がリアルホラー漫画を描くために周囲の人から怖い話を聞く、という形で進む。何者かの視線に怯える漫画家アシスタント(第1話)、飛蚊症のような症状に悩む漫画家の東先生(第2話)、周囲で起こる怖い話を聞くうちに、漫画家はスマホを介して人から人へ転移する“黒い影”の存在に気付いていく――。
前後した時系列が最後にはつながっていく巧みなストーリー展開に、読者からは「ミスリードでの引き込みが素敵」「関係なさそうな話がちゃんと繋がってくる…凄い」と驚きの声が寄せられた。ここでは、作者であるマルオさんに本作の制作秘話について伺った。
――「何者かの視線」「いつの間にかスマホに入っていたGPS機能付きアプリ」「黒い人影」などリアルな話が多いですが、このストーリーは実話なのでしょうか?
各人物が話す内容は基本的にフィクションです。ただ、元になる体験談がある作品もあります。
――このようなホラー漫画のネタがひらめく瞬間は、どんなときですか?
やはり、自分が怖いと思った出来事が元になることが多いです。実体験もそうですが、人から聞いたり本を読んだりしてゾクッとしたときに「漫画になったらどんな話になるのかな」という想像をよくします。そういうときに思いつくことが多いです。
――ホラー漫画を描くということは、やはり霊感があったりするのでしょうか?
霊感は全くないです。しかも人一倍怖がりでお化け屋敷やホラーゲームは大の苦手です…。恐怖映画も耳をふさぎながら観る位ですが、なぜかホラーが好きで描いてます。
――短編としても読めて、読み進めていくと1作ずつが繋がってもいるストーリー構成が秀逸です。
元々短いページで単発の怖い話を描いていたのですが、1つの話だけで終わらずにほかの話と繋がりがあると、想像する余地があっておもしろいかなぁと思い、今回挑戦してみました。「パルプ・フィクション」みたいになったらいいなぁ…とぼんやり考えながら描いています。
――最後に本作のこだったポイント、注目ポイントはありますか?
各話がどう繋がっているのか想像すると楽しい…かな?と思います。
現在は、本作と同じような短編ホラーのネームを出版社に投稿しているマルオさん。今後は長期ホラーの制作も考えているという。
本作を読み解くには、「ほんのひと月前」「二カ月前の話」など、さりげなく入れられた時を表す言葉が鍵となる。6話以降のエピソードもすでにマルオさんのTwitterにアップされている。この夏休みは、各エピソードを読み返しながら、じっくり考察してみてはいかがだろう。
取材協力:マルオ (@f90c89d79366434))
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