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今年も暑い夏の季節がやってきた。ウォーカープラスでは夏にぴったりのホラー漫画を特集。今回は、的野アンジ(
@matonotoma
)さんの漫画「僕が死ぬだけの百物語」(小学館、単行本最新8巻は2024年7月11日発売)の一篇、「カカシ村」を、作者の的野さんのコメントとともに紹介する。
「僕が死ぬだけの百物語」は、少年「ユウマ」が百物語を語るという形式で、毎話登場人物やシチュエーションの違う短編ホラーが描かれるオムニバス連載。「少年サンデーS(スーパー)」および「サンデーうぇぶり」で連載中で、「次にくるマンガ大賞 2023」のWebマンガ部門ノミネートや『このホラーがすごい! 2024年版』(宝島社)でも取り上げられるなど、ホラーファンの間では常に注目を集める作品だ。
「カカシ村」は、単行本5巻収録のエピソード。とある農村を舞台に、妙にリアルな顔のカカシが林立するという謎に興味を持った少年の視点で描かれている。少年がカカシを片付ける村人の男性に話を聞くと、実はそのカカシは村人が作ったものではなく、いつも気づかぬ内に立てられているものだという。次の日、新たに現れたカカシを見つけた少年だったが、そのカカシの顔は昨日会話を交わした村人と瓜二つであることに気づいてしまい――、というストーリー。
物言わず、道端にたたずんでいるだけでも本能的な危機感を掻き立てるカカシの恐怖が描かれる同短編。
作中のアイデアは「夜に怖い気持ちでいるときは、あらゆる物や音が気になってしまいます。そういうときに目に入ったものでどんな怖いことがあったら嫌かを想像して描き始めることがよくあります」と、作者自身が感じる漠然とした恐怖を身近なものに投影して生まれることがあるそう。
そうした創作法は「漫画の中だけの話」、すなわち完全なフィクションではなく読者の生活にも通ずる接点のようにも機能しているようだ。
毎回異なるシチュエーションで描かれる百物語は、あらかじめ予定されたプロットがあるわけではないという的野さん。「ネームの間は『怖いことってなんだろう…』をずっと考えながら辺りを見渡しています」と、制作の姿勢を教えてくれた。
SNSをはじめ根強い人気を集める「僕が死ぬだけの百物語」。連載2年目当時にインタビューした際は「作品や登場人物に愛着が湧いてきており、あんまり苦労させたくないと思ってしまいます」と連載を続ける中での変化を話していた的野さん。4年目を迎え、あらためて変わったポイントがあるかうかがった。
「今はお話の作り方で変化を感じています。以前は多くのアイディアを出すことに集中していましたが、今は一つのアイディアをどうしたら面白くなるのか考えることが多いです。また、今までやってきた展開とは違ったものになるよう心がけています」
取材協力:的野アンジ(@matonotoma)
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