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猛烈な暑さの日が続く今年の夏。ウォーカープラスではそんな夏にぴったりな、ホラー・心霊系の漫画を特集。今回は、矢薙
(@yanaginga)
さんの創作作品「悪霊を退治する人の話」を紹介する。
創作漫画「悪霊を退治する人の話」シリーズは、タイトルや雰囲気とは裏腹な“前向きな除霊”を描く連作短編。悪事を働いていた悪霊たちが、いかにも胡散臭い退魔師の男と出会ったことでその運命が変わっていく作品だ。
第2話に登場するのは、生物の体を乗っとれる悪霊。これまで多くの人間を操ってきた霊だったが、とある不気味な男に取り憑いたところ、入り込んだ自分の方が封印されてしまう。
実は退魔師だったその男に「操って欲しい人がいるんだけど…」と、解放する代わりに取引をもちかけられた悪霊は、悪事をもちかけられたと思い、笑みを浮かべる。
が、男が対象に選んだのは、リハビリに励む少年だった。歩行訓練中の子どもに取り憑いた霊は「体自体は治っている」と気づき、このまま要領を掴んで乗っとろうと目論む。
そうとは知らずにリハビリが進展し喜ぶ少年に、不気味な男は「守護霊のおかげだよ」と告げる。それを聞き「ありがとう!!守護霊さん!!」と感謝を示した少年を見て、悪霊だったはずの存在は照れ隠ししながらも今後も手助けを持ちかけるのだった。
同シリーズの発端は、心霊ではなく「透明人間」のアイデアにあったと作者の矢薙さんは話す。
「元々は『透明人間の話』を考えていて、その際、目が不自由な人とのドラマを2パターン思いついたんです。そのうちの一つの恋愛話は『暗殺者クリア』(少年ジャンプ+掲載、作画:綾広)という読み切りとして描き、もう1つのパターンが「悪霊を退治する人の話」の第1話になりました」
第1話では、人を迷わせる「足音の悪霊」が登場する。その悪霊と顛末のベースになったのが透明人間の物語だったという。その後シリーズとして制作されるようになった本作では、「悪霊の能力」から話を生み出すケースと、「物語のオチ」から逆算するケースがあるそう。
「たとえば第2話の人を乗っ取る悪霊関連の話は前者になります。この形は比較的話が作りやすいです」
また、本作は1話4ページという短い尺で展開する連作短編。物語をしっかり表現しながらもコンパクトにする工夫が盛り込まれており、その一例に「前振りに時間を使わないため、主人公や悪霊のギャップは、強調して描いています」と矢薙さんは語る。さらに矢薙さんは、それぞれの話が後味の悪い終わり方にはならないよう気を付けているそうで、「話に1つは温かな気持ちになれるシーンを入れられるように意識しています」と教えてくれた。
取材協力:矢薙(@yanaginga)
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