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猛烈な暑さの日が続く今年の夏。ウォーカープラスではそんな季節にぴったりな、ホラー漫画を特集。今回は、漫画家・誰でもない(
@daredemonaidare
)の創作作品「リリベルちゃん」を、作者の誰でもないさんのコメントとともに紹介したい。
ショートホラーを中心に、漫画作品をWEB上で公開している誰でもないさん。「リリースレッド 怪異の起こる街」や「かい猫ミーに出会ったら」など書籍化もされたなど、SNSを中心に人気を集める作家だ。
リリベルちゃんは、2024年に公開された短編ホラー。物語は、小学生の間で流行する「仕返しの妖精」が引き金となる。
ルール通りにお願いすれば、妖精・リリベルちゃんが願った相手に小さな復讐をしてくれるという噂が広まっていた、とある小学校。主人公と友人は、執拗にいじめてくる同級生にリリベルちゃんの力で反撃を試みた。けれど、痛い目を見たのはお願いした主人公たちの方。なんと、同級生を後部座席に乗せた車にはねられてしまったのだ。リリベルちゃんの仕返しがあべこべになってしまったと思いきや、病院でいじめっ子は主人公たちに突然土下座し――、というストーリーだ。
本作のアイデアについてうかがうと、「子どもに流行るような軽いおまじないから怖いことが起きる、というものを描こうと思ったのがきっかけです」と教えてくれた誰でもないさん。
本作では仕返しする側・仕返しされる側に起こる出来事の意味や内心ががらりと変わる展開で、そこにいたるまでにもさまざまな形で恐怖体験が散りばめられている。
そんななかでも、誰でもないさんが思い入れのあるシーンとして挙げたのは、交通事故のあと、いじめっ子の同級生・相沢さんが見せた表情だ。車から降りて、ぞっとするような無表情を浮かべるシーンで、「表情の怖さは、死に怯えていたゆえにだった」と、真相が分かると見え方がガラリと変わるカットになっている。
こうしたどんでん返しの構成の意図を、「人を呪わば穴二つ」という言葉で表現した誰でもないさん。また、「怖いという感情は、辿っていくとすべて『死』につながるものなので、死と人間をつなぐ流れを具現化した姿が怪異なんだと思います」と話し、人間同士の復讐にリリベルちゃんという理外の存在が挟まっていることの一つの意味を示唆してくれた。
取材協力:誰でもない(@daredemonaidare)
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