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猛烈な暑さの日が続く今年の夏。ウォーカープラスではそんな夏にぴったりな、ホラー漫画を特集。今回は、漫画家・誰でもない(
@daredemonaidare
)の創作作品「6階」を、作者の誰でもないさんのコメントとともに紹介したい。
オリジナルの漫画作品をWEB上で公開している誰でもないさん。ショートホラーを中心に制作しており、コミックエッセイ「かい猫ミーに出会ったら」や「リリースレッド 怪異の起こる街」など書籍化された作品もあり、Xでは9.8万フォロワーと注目の作家だ。
今回紹介する「6階」は、2023年に公開された作品。物語は、とある青年がマンションに配達の仕事に赴くことではじまる。
交通事故で相手にケガを負わせたことから、治療費のため配達のバイトを増やした青年。訪れた「霧島マンション」は住民の柄もよくはなく、6階建てなのにエレベーターもなしと、いたるところに不穏な雰囲気が漂っていた。
それでも配達先の606号室前まで向かった青年だったが、玄関前の置き配を終えた直後、606号室の扉の隙間から、人ならざる異形の存在が荷物を取り込むのを目撃してしまう。その体験を友人に相談すると、そもそもいわくつきのマンションであることが発覚。不幸な出来事は全て6階で起きたといい、しかも現在は縁起が悪いと「5階建て」に建て替えられており――、というストーリーだ。
今は存在しないはずの「6階」に配達してしまった青年の行く末がどうなるか、否応なしに引き込まれる同短編。作者の誰でもないさんは、「“マンションで何か不気味なことが起こる”というシチュエーション」を描こうと思ったのがきっかけで本作を制作したと振り返る。
直球のホラー作品となっている同作だが、誰でもないさんのショートホラーでは、予想外の展開やどんでん返しなど、読者の意表を突くポイントが盛り込まれたものが多い。「自分の作品は、ストレートに怖い話を描くとSNS上で伸びにくい傾向があります」と話す誰でもないさんは、「むしろストレートに怖いものこそ挑戦する価値が高いと思っていました」と、普段の作風とは違うものに挑戦していくという思いもあったという。
また同作では、青年が見た異形が直接的に何かを起こす描写は存在せず、マンションとそこに関わった人々で物語が進む。回想を除けばわずか1コマのみの「人ならざる6階の住人」については、「人間ではないものを派手に怖く描かないことで、不気味さが際立てばいいな」という想いで描いたと誰でもないさんは教えてくれた。
取材協力:誰でもない(@daredemonaidare)
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