
全国
30度越えの日が多く、厳しい暑さが続きそうな今年の夏。ウォーカープラスでは、ゾッと震えるようなホラーから、暑さを忘れさせる怪談など、夏の季節に読みたい漫画を特集する。今回は、ハルマキ(
@harumakimanga
)さんの創作漫画『次々と漫画家が消えて行く宿』を紹介したい。
SNSや自身のブログでオリジナルの作品を公開しているハルマキさんは、元漫画アシスタントの経歴を持つ。『次々と漫画家が消えて行く宿』は、同期の漫画家たちとそのアシスタントが慰安旅行で出かけた温泉宿で不可解な現象に遭遇するストーリーだ。
宿の名前を間違えて予約し、廃墟のような「恩墓呂荘」に泊まることになった一行。とは言え、好奇心の塊である漫画家たちは「お化け見たい」「廃墟の資料に使えるかも」と前向きだった。
しかし、宿の主人である老婆からは、「お客さん絵描きじゃろ… だったら相当気をつけや…」と、宿の中の一室“画狂の間”に近づいてはならないと忠告される。
その理由を確認できないまま、温泉や料理を楽しむ一行。しかし、一番最初に風呂から上がった漫画家だけは食事の席に姿を現さず、さらには部屋の障子紙の裏に貼られた古新聞に、かつて同地で漫画家が3人行方不明になったという記事を見つけてしまい――、とじょじょに不穏さを増していく長編作品だ。
作者のハルマキさんはエッセイ漫画「漫画専門学校からアシスタントになるまでの話」「17年間のアシスタント時代の経験話」や「38歳で初めて彼女が出来た恋活話」など、自身の体験をもとにした作品を多く発表している。本作は「そろそろ創作漫画の脳みそも使わなあかんぞ!って思ってたときに漫画家の師匠から『謎は人を惹きつけるから、謎をテーマに1つ描いてみたら』って助言をもらえたので、ちょいと5話ぐらいで終わるギャグっぽい話を」というところからスタートしたという。
実際には180ページ超の長編となり、「描き始めたら筆が滑りに滑って己の好み満載の長い作品に」と振り返るハルマキさん。作中には熱血なヒーロー漫画家・火山通や、ただ者ではなさそうなコメディ漫画家・シュナイダーたけしといった濃いキャラクターが登場するが、エッセイ漫画にも登場していた仕事場のキャラをはじめ、イメージでキャラクターを膨らませた人物を含め全員にモデルが存在するそう。
一方で、霊感はまったくなく心霊体験の方は「ゼロ」とハルマキさんは話す。「昔はあわよくばそんな体験をしてみたいと心霊スポット巡りなどしてましたが、今はカケラも味わいたくありません(笑)。だけど、ホラー映画や人の心霊体験を聞くのとかは大好きなんで、己は安全な立場にいて『ああなったら怖いやろな』『こうなったら怖い』と妄想するのが好きな怖がりです」と、ホラーへの関わり方を話してくれた。
現在は完全創作のアクションコメディ「戦場老人ホーム」(コルク)や、クールかつ豪快な漫画アシスタントの女性を描いた「外町さんは豪快である」など、本作のようにエンタメ性の高い作品もエッセイ漫画と並行して発表するハルマキさん。『次々と漫画家が消えて行く宿』は、こうした幅広い作風の一翼を担う作品だ。
取材協力:ハルマキ(@harumakimanga)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
夏休みの人気イベントランキング | 夏休みの人気スポットランキング |
最近見たイベント&スポットページはありません。