【オリジナル謎解き付き】“謎解き”って?謎クリエイターに聞いた、初心者でもわかる謎解きのいろは&コツと、その仕事内容

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テレビ番組や、全国各地で開催されるイベントなどで見られる「謎解き」。種類によっては「脱出ゲーム」と呼ばれることもあるが、「よく見聞きはするものの実際に挑戦したことがない」という人にとっては、それこそ“謎”多きものかもしれない。そこで「謎解きってどんなもの?」「誰でも参加できるの?」など、興味はあれど挑戦したことがないという人の疑問を、“謎クリエイター“の奥村将旭さんにぶつけてみた!

謎を解く側から作る側になったという奥村さんだからこそわかる「謎解き」のおもしろさや成功のコツ、謎クリエイターの仕事内容などについて聞いた。ウォーカープラス限定の謎解き「謎クリエイターからの挑戦状」も作ってもらったので、そちらにもぜひ挑戦してみてほしい!

「謎解き」の魅力とは…?
「謎解き」の魅力とは…?

オリジナル謎解き「謎クリエイターからの挑戦状」

「謎解き」について説明する前に、まずは謎解きがどんなものなのか、実際に見てもらおう。謎クリエイター・奥村さんが作った、ウォーカープラス限定の謎解きに挑戦!3問の謎から、それぞれ正解のワードを導き出そう。導き出した3つのワードを、最後の謎「FINAL」の空欄に当てはめると問題文が完成する。この「FINAL」の答えがわかれば、ゲームクリアとなる。

ちょっと難しい…という人は、このあとに紹介する謎解きのコツを読んでから挑戦すれば、解けるかも。「謎クリエイターからの挑戦状」の解説は、記事の後半で!

「謎解き」「脱出ゲーム」ってなに?

今回、謎解きに関する疑問に答えてくれたのは、謎解きを軸としたイベントを企画・制作する「アットビ」の代表、奥村将旭さん。愛知県を拠点に、全国各地の謎解きを数多く手掛けてきた“謎クリエイター”だ。

イベント企画・制作「アットビ」代表で謎クリエイターの奥村将旭さん
イベント企画・制作「アットビ」代表で謎クリエイターの奥村将旭さん(C)KADOKAWA


「謎解きは、なぞなぞに近いものです。よくクイズと間違われるのですが、クイズに正解するには事前の知識が必要。一方、謎解きは、頭を使って“ひらめき”で解くものです。テレビ番組などでやっていた脳トレ問題やIQテストのような問題が出題されます。物知りな人でなくても、その場にある情報だけで解けるようになっているのが謎解きです」(奥村さん)

謎解きでは、イラストや暗号が描かれた“謎”(=問題)が出題される。これを“ひらめき”を駆使して解いていくのだ。謎によっては漢字や英語を使わないものもあるので、幅広い世代が楽しめる点も魅力の1つだという。奥村さんいわく、「謎解きは、初心者や子どものほうが解けることも多い」とのことだ。

事前知識はほぼ必要なし!誰でも挑戦できるのが謎解きの魅力
事前知識はほぼ必要なし!誰でも挑戦できるのが謎解きの魅力


「近年、主流になっている謎解きイベントのほとんどが、謎がいくつかあり、それらがつながっているというもの。加えて、ストーリーがあったり、没入できる要素があったりといった“物語体験”ができるのも、謎解きのおもしろさだと思います」(奥村さん)

謎解きには、クリア条件が設けられていることがほとんど。謎解きの種類については後述するが、「あるワードを導き出す」「閉じ込められた空間から脱出する」「街中のとある地点にたどり着く」などのクリア条件が一般的だ。謎を解いていく過程にあるストーリーとともに、自分が物語の登場人物になった気分で楽しめるのも、近年の謎解きの特徴だろう。

どんな謎解きがある?種類はおもにこの5パターン

「謎解き」と言っても、その種類はさまざま。クリア条件は謎解きによって異なるので細分化してしまうとキリがないが、ざっくりと以下の5パターンに分類できる。それぞれの特徴を見ていこう。

ルーム型の謎解きでは、アイテムを使ったり、家具を動かしたりして謎を解く
ルーム型の謎解きでは、アイテムを使ったり、家具を動かしたりして謎を解く


▶ ホール型

複数のチームが、会場内で同時に謎を解くのが「ホール型」だ。1チームは4~6人の場合が多く、チームのメンバーと協力しながら謎を解き、制限時間内にクリアを目指す。1つのテーブルをチーム全員で囲んで、紙に描かれた謎を解いたり、最近ではタブレット端末を使ったりすることもある。

▶ ルーム型

実際に部屋の中に閉じ込められる、いわゆる「脱出ゲーム」がこちらで、1チームは2~10人程度。部屋にあるアイテムや家具を使って謎を解き、脱出のためのカギを制限時間内に探し出すというパターンが多い。黙々と謎を解くことが多いホール型に比べて、体を動かして謎を解くことがメイン。日常生活ではあり得ない場所などに意外なアイテムが隠されていたりする。アイテムを使う場合が多く、難しい問題がわからない子どもでも、大人と一緒になって楽しめる。

▶ スタジアム型

「スタジアム型」は、「ルーム型」の規模をもっと大きくしたもの。スタジアムや遊園地などを貸し切った巨大イベントだ。プレイヤーは広大な敷地の中を歩き回って、制限時間内に謎を解く。謎解き用のキットが1人1セット配布されることがほとんどで、個人で挑戦しても何人かでチームを組んでもいい場合が多い。

▶ 周遊型

街や商店街、ショッピングモールなどを歩き回って謎を解くのが「周遊型」。鉄道に乗って駅や街を周遊して謎を解くパターンもある。以前はスタンプラリーが多かった観光地を巡るようなイベントが、最近では謎解きイベントに置き換わってきているという。基本的に制限時間はなく、自分のペースでゆっくりと謎を解くことができる。隠された謎を解いていき、ゴールに辿り着けたらクリア。1人でも挑戦できるほか、途中で観光したり休憩したりできるのも「周遊型」の特徴だ。無料で参加できるものも多い。

▶ 持ち帰り型

Webサイト上で完結するものや、謎解きキットや書籍を購入して好きな場所で解けるのが「持ち帰り型」。スマホアプリなどで楽しむことができるものは、無料のものもある。制限時間が設けられているか否かや所要時間は謎解きによってさまざま。インターネット上で検索したりSNSを駆使したり、登場人物と実際にメッセージをやり取りしたりするタイプのものは、没入感が高い人気のコンテンツだ。

自分がやってみたい謎解きの種類が決まったら、いよいよ謎解きに挑戦!「ホール型」「ルーム型」「スタジアム型」は、基本的に予約をしてチケットを購入する必要がある。「周遊型」は予約がいらないパターンが多い。当日は受付を済ませたら、スタッフからの説明などのあと、謎解きがスタートする。制限時間終了までに、最後の謎が解ければクリア。その後は、謎についての解説もある。

謎解きは、クリアできなかったらつまらない?

制限時間が設けられているような「ホール型」「ルーム型」「スタジアム型」は、難易度が高めのものもある。しかしながら、スタッフのサポートやヒントは必ず用意されており、最後の謎までたどり着けることがほとんどだ。

「制限時間が設けられているものは、時間内に最後の謎やゴールに辿り着けなかったらクリア失敗です。全員がクリアできるわけではありません。しかし、仮にクリアできなくてもおもしろいのが謎解きゲームのいいところ。チームで協力したりストーリーに没入したりする体験こそが謎解きイベントの魅力なので、失敗しても“楽しかった!”となるはずです」(奥村さん)

「謎解きは失敗してもおもしろい!」と語る奥村さん
「謎解きは失敗してもおもしろい!」と語る奥村さん(C)KADOKAWA


成功しなくても謎についての解説を聞けば「なるほど、そういうことか!」「惜しかった!」と、楽しめるだろう。一方で「周遊型」は、開催期間中であれば制限時間もなく成功するまで挑戦できるほか、無料のイベントも多い。「持ち帰り型」も、基本的には自分の時間が許す限り挑戦できる。謎解き初心者は「周遊型」や「持ち帰り型」から始めてみるのがおすすめだ!

「やっぱりクリアしたい」あなたに!謎解きのコツ

「失敗してもおもしろい」とはいえども、成功したときのよろこびや感動は、成功した人しか味わえない特別なもの。せっかく参加するなら、成功したい!というあなたに、謎を作る側の奥村さんから、謎解きのコツを教えてもらった。

【コツ1】置き換え・変換して考える

謎解きの形式はさまざまだが、出題される謎の中でも多いのが「変換系」だ。漢字をひらがなやカタカナに変換してみたり、日本語を英語に変換してみたりして考えるようにすると、答えがひらめくことがある。

「たとえばなにかが7つ並んでいたら、1週間を表しているんじゃないか?とか、ドレミファソラシドかな?とか、あらゆるものに変換して考えるのが謎を解く手掛かりになります。謎は言葉遊びも多いので、頭を柔らかくしていろいろな角度で考えてみてください」(奥村さん)

【コツ2】視野を広くもつ

謎解き中は、目の前の謎に集中するあまり、視野が狭くなってしまいがち。謎解きに詰まったときは、ほかの問題や問題用紙の隅・裏などを見てみたり、通常とは違うアイテムの使い方をしてみたり、会場内を見渡したり…、視野を広くもって冷静に考えると、意外なひらめきがあるかもしれない。

「最後の謎でよくあるのが、今までに解いた謎やアイテムをもう一度使うというパターンです。困ったときは冷静に周りを見たり、同じ場所をもう一度探索したり、ストーリーを振り返ったりしてみましょう」(奥村さん)

【コツ3】チーム戦はコミュニケーションを積極的に

チームで協力する謎解きでは、それぞれが異なる謎を解くなどして、違う情報を持っていることもある。最後の謎には、今まで使ったありとあらゆる情報が必要になるため、コミュニケーションをとって情報を共有しておくと、成功に1歩近づけるだろう。初対面の人とチームを組む場合もあるほか、得意分野も人によって違うので、自分だけで解けない謎はチーム内で積極的に声を掛けて助けてもらおう。

【コツ4】困ったらヒントやスタッフを頼る

謎解きは、詰まってしまったときのために、ヒントが用意されている場合が多い。制限時間がある謎解きでは、時間配分も重要。1つの謎を解くのにあまりに時間がかかってしまうようなら、ヒントを頼ることも忘れないでほしい。また、スタッフが助けてくれることもある。困ったら積極的にスタッフに声を掛けよう。ただし、人それぞれの楽しみ方があるので、チーム戦の場合は全員の許可を得てからにしよう。

先に書いた通り、謎解きは基本的に“その場にあるものだけで解けるもの”だ。謎が解けないと思ったときには、人を頼ったり目の前にあるものを見直したりすれば、必ずクリアにつながるカギがあるはず。ここまでに紹介したコツを駆使して、謎解きクリアを目指そう!

謎はどう作る?謎クリエイターの仕事

全国各地で謎解きイベントを手掛けてきた奥村さんの肩書でもある「謎クリエイター」の仕事とは、どんなものなのだろうか?

「謎クリエイターの仕事の4~5割は、謎づくりですね。ただ難しい謎を作るということではなく、大切にしているのは『謎解きを通して何を伝えたいか』です。特に周遊型の謎解きイベントを開催したいという施設や自治体は、イベントを通して多くの人に“伝えたいこと”があるはずです。それが何なのかをしっかりとヒアリングして汲み取り、参加する人に伝わるよう意識しながら謎を作っています」(奥村さん)

「謎解きは何かを伝えるための新たなツールの1つです」と話す奥村さん
「謎解きは何かを伝えるための新たなツールの1つです」と話す奥村さん(C)KADOKAWA


奥村さんは、ヒントを作ることも大切にしているという。いきなり答えがわかってしまっては、謎解きの醍醐味が失われてしまう。そうならないように段階的なヒントを出し、答えに少しずつ近づいていってもらえるよう、工夫しているそうだ。実際に謎解きイベントを開催する前には、何度もテストプレイを実施し、ヒントの出し方を調整するという。

「『なぜ謎を解かなければならないのか?』という部分が、謎解きを楽しむうえでは非常に重要だと思っています。ただ目の前に謎を出されて『解け!』と言われても、解きたいとは思えませんよね?プレイヤー自らに『解きたい!』と思ってもらうには、ストーリーが大切です。『部屋に閉じ込められたから脱出しなければならない』とか、『仲間が捕らわれているから助けなければならない』とか、『どこかに隠されたお宝を手に入れよう』とか、そういったストーリー設定があるからこそ、解きたいと思えるのではないかと考えています。ですから、謎解きを制作する際には、まずは軸となるストーリーから作ることが多いですね」(奥村さん)

謎解きの“文化”をさらに浸透させていきたいと願う奥村さんは、さらにこう続ける。

「謎解きをしてくれた人には『謎を解いてスッキリしてほしい』と思っています。難しい謎を出して、いじわるをしたいわけじゃないんです(笑)。最後まで解けなかったとしても、答えを聞いて納得できるかどうかがポイントだと考えています。その納得感がなかったら、きっと『また次も謎解きにチャレンジしよう!』とは思えないんですよね。クリアしても失敗してもおもしろい、そういった謎解きを目指して、謎クリエイターをやっています」(奥村さん)

初心者でも安心!謎解きは誰でも参加できる

全国各地でさまざまな謎解きイベントが開催されているが、まだまだハードルが高いと思っている人もいるかもしれない。挑戦しても謎が解けるかどうか、自信がないという人もいるだろう。しかし謎解きは、体感したり没入したりする時間を楽しむもので、実は解けなかったとしてもおもしろい。失敗しても解説があるからこそ、最後には「なるほど、そういうことか!」と、スッキリした気分で終えることができるのだ。

謎クリエイター・奥村さんが手掛けるイベントは「アットビ」公式サイトやX(旧Twitter)をチェック!
謎クリエイター・奥村さんが手掛けるイベントは「アットビ」公式サイトやX(旧Twitter)をチェック!(C)KADOKAWA


「謎解きには自信がないという人にも、とりあえずやってみてほしいです!」と話す奥村さん。謎解きは、「失敗=つまらない」ではない。謎解きに興味がある人は、まずは無料の謎解きイベントや、制限時間のない「周遊型」、家でも手軽にできる「持ち帰り型」から挑戦してみてはいかがだろうか?きっとまだ体験したことのない“物語体験”が、あなたを待っているはずだ!

【奥村将旭さんプロフィール】
「見てほしい」「知ってほしい」「来てほしい」、そんな願いを、謎解きの力で叶える謎クリエイター。4年半在籍した謎制作会社を退職後、フリーランスとして独立。“体験で課題を解決する”をモットーに、「アットビ」として活動中。商業施設や科学館、鉄道、観光地など、さまざまな現場での謎解きイベントに携わり、これまでに手がけた謎は100本以上。導線設計や運営面にも配慮したイベントづくりが得意。「楽しい」で終わらせない、「伝える」「動かす」ための体験設計を、謎の力で仕掛ける。


取材・文=民田瑞歩

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情報は2025年7月23日 08:00時点のものです。

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