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暗闇の中に浮かび上がる、息をのむほど美しい星空。かつてプラネタリウムといえば、誰もが「星座や宇宙の仕組みを勉強する場所」を思い浮かべたのではないだろうか。しかし今、その常識が劇的に変わりつつある。仕掛けるのは、コニカミノルタプラネタリウム。「星空を学ぶ場所」から、五感で味わう「星空体験を楽しむ場所」へ。ジャンルを超えて広がり続ける可能性について、同社の担当者に話をうかがった。
東京都内にある「プラネタリアTOKYO」や「プラネタリウム天空」、「プラネタリウム満天」をはじめ、横浜や名古屋などで個性豊かな直営館を展開するコニカミノルタプラネタリウム。ドームに入ると、そこは日常から切り離された、静寂と星空の世界。寝そべりながら贅沢に夜空を見上げられる「プレミアムシート」や、プログラムのテーマに合わせて香るオリジナルアロマ。そして、暗闇と星空に包まれる圧倒的な没入感と、臨場感を感じられる立体音響システム。コニカミノルタプラネタリウムには、単に星を「眺める」だけでなく、五感すべてで星空に溶け込み、疲れた心をそっと解きほぐしてくれる仕掛けがそろっている。
なかでも今回は、音楽とプラネタリウムが作り出す化学変化に注目。コニカミノルタプラネタリウムでは、2026年7月3日から新しいプログラム「流れ星を探して feat. BUMP OF CHICKEN」の上映が始まり、SNS上で話題を呼んでいる。ほかにも、没入型ライブなどコニカミノルタプラネタリウムは、音楽が関わるプログラムを多数手がけている。星を映し出す空間から、音楽も楽しむ空間に進化したコニカミノルタプラネタリウムのこだわりとは、一体どのようなものなのだろうか。
ーーなぜ「音楽」に特化した作品やイベントを積極的に企画されるようになったのでしょうか。
【担当者】プラネタリウムはもともと「星を学ぶ場所」でしたが、私たちはそこに“心で味わう体験価値”を広げていきたいと考えてきました。そのなかで音楽は、言葉や年代を超えて人の感情に直接届く力を持つため、星空と非常に相性がよい表現だと捉えています。
ターゲットは従来のプラネタリウム来館層だけでなく、音楽ファンやカップル、そして都市生活で疲れを癒やしたい大人層などになります。音楽を入口にすることで、これまでプラネタリウムに足を運んでいなかった人にも来ていただくきっかけとなればと考えております。
ーーアーティストのファンからは、どのような反響が寄せられていますか?
【担当者】音楽をきっかけに来場されたお客様からは、「久しぶりにプラネタリウムに来た」「プラネタリウムのイメージが変わった」という声を多くいただきます。また、新たに上映されている『流れ星を探して feat. BUMP OF CHICKEN』では、BUMP OF CHICKENとプラネタリウムのコラボレーションを待ち望んでいた声がSNSを通して多く届いており、大変うれしく感じています。
ーー星空と音楽を掛け合わせる際に意識していることはありますか?
【担当者】基本的に星空を主役としていますが、映像と音楽が互いを引き立て合い、お客様が自然に作品世界へ入り込めるような調和を意識しています。
ーーアーティストの世界観を360度映像に落とし込む際、クリエイティブ面で最も大切にしていることは何ですか?
【担当者】たとえば「音楽の受け取り方を固定しすぎないこと」です。映像が楽曲を説明するのではなく、あくまで音楽が持つ情景や感情を広げる存在であることを意識しています。
現在リバイバル上映している『サカナクション グッドナイト・プラネタリウム』は、その象徴的な例の1つです。サカナクションの楽曲が持つ夜の静けさや都市的な余韻、内面に潜るような感覚を、ドーム全体の星空や光の変化で表現することで、音楽と映像が一体となった体験を生み出しています。
ーーコニカミノルタプラネタリウム独自の「SOUND DOME(R)」の立体音響システムを取り入れている作品の特徴や魅力を教えてください。
【担当者】「SOUND DOME」は、ドーム空間全体を使って音の位置や動きを立体的に表現できる音響システムですが、作品ごとにその使い方を大きく変えている点が特徴です。
たとえば過去作品『To the GRAND UNIVERSE 大宇宙へ music by 久石譲』では、オーケストラの臨場感を最大限に引き出す設計とし、まるでそこに楽団が存在しているかのような立体的な音の広がりを再現しました。音楽そのものに包み込まれる体験です。
一方、7月3日から上映している『流れ星を探して feat. BUMP OF CHICKEN』では、風や空気の気配、周囲の環境音を丁寧に重ねることで、実際に屋外で星空を見上げているかのような臨場感を追求しています。音が主張しすぎるのではなく、空間の空気そのものを感じられるような設計です。
単に迫力のある音を届けるだけでなく、作品ごとに“音で空間そのものをデザインする”役割を担う技術です。星空と音楽が響き合い、音に包み込まれるなかで夜空とひとつになる没入体験を実現するうえで、非常に重要な核となっています。
ーー没入型ライブや作品コラボを行うアーティストの選定基準や、プラネタリウム空間に「ハマる」音楽の要素は何だとお考えですか?
【担当者】実は最近、アーティストの方からプラネタリウムという空間に興味を持っていただくケースが増えてきました。「この場所で表現してみたい」という想いを寄せていただき、お互いの関心のなかでコラボレーションが実現しています。特に「LIVE in the DARK」のような企画では、目から入る情報に頼らず音を届けるというコンセプトに共感いただけることが大きなポイントですね。
また、ライブではない通常の作品においては、もともと楽曲に星空や宇宙といったテーマ性を持つアーティストや楽曲を軸に構成することが多く、音楽の世界観と星空が自然に溶け合うことを重視しています。
ジャンルに関わらず共通しているのは、「音で情景や感情を引き出せるかどうか」です。聴く人それぞれが自身の記憶や感情と結びつけながら体験できる音楽が、プラネタリウムという空間と特に相性がよいと考えています。
ーー「プラネタリウムドーム」という、特殊な空間だからこそ引き出せるアーティストの新たな魅力や、音楽の聴こえ方について教えてください。
【担当者】ドーム空間の特徴は、暗闇と星空に包まれることで、観客自身の内面に意識が向きやすくなる点にあります。そのため、特別な場所で音楽を聴くことで、観客側の心の持ち方や受け取り方が大きく変化するのが最大の特徴だと思っています。普段の生活や一般的なライブ空間では外部の情報が多く意識が分散しがちですが、暗闇と星空に包まれた環境では、音楽と自分自身に自然と集中しやすくなります。
その結果、同じ楽曲であっても「より深く響いた」「自分の記憶や感情と結びついた」といった体験に変わることが多く、聴こえ方そのものが変化することもあるんです。プラネタリウムは、音を“じっくり味わう”場所であると同時に、“自分自身と向き合いながら感じる”場所でもあります。その環境だからこそ、音楽がより自分だけの特別な体験へと深まるのが、大きな魅力ですね。
ーー反対に、完全な暗闇の中での生演奏は、技術的なハードルも高いかと思います。舞台裏での苦労や工夫を教えてください。
【担当者】完全な暗闇での生演奏は確かに難易度が高く、モニター環境や安全確保など多くの課題があります。そのため、最低限の視認性を確保する特殊照明の設置や、音響の事前シミュレーション、アーティストごとのリハーサル調整を徹底しています。また、“見えないこと”自体をコンセプトとして共有することで、パフォーマンスもそれに最適化していただいています。
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