
大阪府
国内外から多くのパビリオンが出展している大阪・関西万博。その一角、会場の西ゲート近くにたたずむ真っ白なコンクリート製のドームをご存じだろうか。これは、鹿島建設が建設した「サステナドーム」。CO2(二酸化炭素)をコンクリート内部に固定する技術を用いたコンクリートでつくられた環境配慮型の建造物だ。
ドーム内では「ジュニアSDGsキャンプ」として、子ども向けにESD(持続可能な開発のための教育)やSDGsについてのワークショップ、展示、ツアーが行われている。サステナドームを中心に、「重すぎるスタンプ」や「謎解きプログラム」など、家族で楽しみながら学べるコンテンツを展開する鹿島の展示エリア「KAJIMA 謎解きベース」の見どころについて紹介しよう。
サステナドームのKAJIMA 謎解きベースを訪れてまずチェックしたいのが、大手ゼネコンである鹿島の技術がたっぷり詰まった「重すぎる CO2-SUICOM スタンプ」。サステナドームに使われたものと同様、CO2を固定したコンクリートを使用したスタンプ台で、スタンプの重さはなんと11.75キロ。身近なものにたとえればスーパーで売られている10キロの米袋以上と考えるとその大変さが伝わるはず。スタンプを押すためにはこのコンクリートスタンプを持ち上げなければならないというユニークな展示だ。
鹿島の広報担当者によると、このスタンプは「コンクリートでダムやビルなどを作るときに、直径15センチ、高さ30センチの円柱サンプルをつくり強さなどを試験します。今回はそれをスタンプにしました」とのこと。「CO2をコンクリートの中に固める特別な技術で作られたこのコンクリートはCO2-SUICOM(R)といって、つくればつくるほど地球上のCO2を減らします。11.75キロという重さの中には、コンクリートを作る際に内部に固定した約100グラムのCO2の分が含まれています」と話す。また、重すぎるスタンプだけでなく、ドーム内に設置しているベンチも同様の技術を用いて作られているという。
1人で持ち上げるのは難しくとも、2人で挑戦すればきれいにスタンプが押せるそうで、後述する謎解きプログラムに使われる謎解きMAPがスタンプ用紙にもなっている。もちろん持ち帰れるので、関西万博を訪れた記念として形に残るのもうれしいポイント。各パビリオンに設置されている万博公式スタンプとは異なるオリジナルスタンプなので、スタンプ収集の際も隠れた楽しみになりそうだ。
また、家族で楽しめる謎解きプログラムが充実しているのも鹿島ブースの特色の1つ。関西万博会期終了の2025年10月13日(祝)まで開催中の「謎解きプログラム 未来からの挑戦状!」では、サステナドームで配布する謎解きMAPを手に、サステナドームをはじめ万博会場内で鹿島が建設・施工した4つの施設を巡り、ヒントを探して謎の答えを導き出す子ども向けのプログラムが体験できる。
“2125年の未来から送られた”という謎解きの内容は建築・土木構造物をモチーフにしたものだけでなく、さまざまなパターンが用意されているという。MAPだけを提供してもらった筆者では答えられない謎もあるが、「用意してある7つの謎を解くと、未来からのメッセージを読み解くことができます。いずれも現地を訪れていただければ答えにたどり着ける内容です」とのこと。
鹿島の担当者はさらに「実は、“重すぎるスタンプ”の印面が謎解きのヒントにもなっています。重すぎるスタンプを押したり、CO2を吸収した壁に触れたり、設置されているスコープを覗いたりすることを通して環境技術に触れながら、ご家族やご友人、またおひとりでも、ちょっと頭をひねらせながら楽しんでいただけたらと思います」と大きなヒントも教えてくれた。鹿島の送るメッセージの答えを探しにぜひ挑戦してほしい。
さらに、7月18日(金)~20日(日)、24日(木)、7月26日(土)・27日(日)には、「KAJIMAなぞときワークショップ サステナドームの怪人」として小学校高学年~中学生に向けたワークショップをサステナドームで実施する。参加には2025大阪・関西万博公式ウェブサイトより入場チケットを購入のうえ、KAJIMAなぞときワークショップの予約が必要となる。予約は6月18日からスタートしている。謎解き好きは「未来からの挑戦状!」と合わせてチャレンジするのもおすすめだ。
こうした謎解きコンテンツを充実させた理由を、鹿島の担当者は「サステナドームは、別名『ジュニアSDGsキャンプ』といい、SDGs、脱炭素、資源循環、自然環境の4つのテーマで子どもたちを対象にしたさまざまな体験型プログラムが実施されています。弊社もそのコンセプトを踏まえつつ、子どもたちにSDGsや環境問題を考えてもらう場を提供したいと考えました」と話す。
「地球温暖化という世界的な環境問題に対し、建設業も取り組んでいます。次世代を担うたくさんの方々に、楽しみながら最先端の環境技術に触れていただきたいと思い、今回の展示を実施しております」
最後に混雑具合について聞いたところ「土日はスタンプに列ができることもありますが、ドーム自体にはどの時間帯でも入場いただけます。サステナドーム(ジュニアSDGsキャンプ)への入場予約は不要です」とのこと。ただし、「KAJIMAなぞときワークショップ サステナドームの怪人」開催中はドームへの入場が制限されることがあるので来訪の際には注意しよう。
ドーム内は椅子がたくさん並べてあり、給水スポットも設置されているので「ちょっと一息涼める場所として活用いただいても」と話す。西ゲートからもほど近い場所にあるので、万博を訪れた際はサステナドームにもぜひ足を運んでみよう。
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