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<作り方>
豊富に販売されている刺しゅう系のキットのうち、今回選びたいのはほぼ1種類のステッチだけで仕上げられる「クロスステッチ」のキットだ。セットには、刺しゅう枠のような形の“フープ”と、刺しゅう糸に専用のクロス針、クロスステッチ用のジャバクロス生地が含まれる。大きさや図案にもよるが、価格はだいたい2000円前後。
“初心者向け”と表示されているものの中から、小ぶりな直径10.5センチ、中くらいの直径15.5センチのどちらかを選ぶ。集中力に自信がないなら小さい方、チャレンジ精神旺盛なら中くらいがおすすめだ。キット外で必要なのは縫い針と糸だが、こちらは見えない部分で使うので、ありあわせでOK。なければキットに入っている針や刺しゅう糸で代用も可能。
進め方は、付属の解説書にすべて明記されているので、まずはくまなく目を通しておこう。そのうえで、刺しゅう前に必要な準備からスタートする。まず、クロスステッチ用の布地はほつれやすいので、手持ちの糸でアウトラインを適宜かがっておく。次に、図案と中央を合わせるため、布地を二度二つ折りにして、ど真ん中の穴を見つける。
図案の中央からステッチを始めるので、対応する色の刺しゅう糸をまずは6本にほぐし、束ね直していく。このほぐす作業をしておくと、ふっくらとボリューム感のある刺しゅうに仕上がるそう。
クロスステッチってなに?
バッテンを描くようにX字型に刺しゅう糸を刺していく、刺しゅう技法のこと。縦に刺し進めるのが基本で、片側だけ同じ方向に刺し、折り返すようにしてもう片側を刺し、クロスに仕上げていく。横やななめに刺し進める場合は、都度バッテンを作ることもある。また、クロスステッチは玉留め・玉結びをしないのも特徴。刺し始めと刺し終わりの始末を覚え、裏側で泳ぐ糸が出ないよう工夫しながら作業していこう。
図案の中央に近く、面積の大きい色から刺し始め、ジャバクロス生地の目を数えながら図案通りにクロスステッチしていく。刺しゅう糸が絡まないように気を付けつつ、ジャバクロス生地の穴を目がけて針を通していく。間違ったら同じ穴に針を通して戻すか、針を抜き、糸をほどいてやり直そう。
刺しゅうが終わったら、フープを取り付けていく。付属のフープを外枠と内枠に分け、内枠の上に刺しゅう布をかぶせてから外枠をはめる。外枠をはめたら、中央に絵柄が来るよう調整しながら布を外側へ引っ張り、ピンと張っていく。
余った布は、フープの内枠から2センチ程度だけ生地を残してカットし、ぐし縫いして内側にまとめる。これで作業はすべて終了。
<失敗しないポイント>
・子供はきつく刺しゅうしがちなので、たまに糸の調子をチェックしてあげよう。糸の加減はほんの気持ちだけゆるめにしておくときれい。
・図案の中から、ひと固まりになっていて、面積の大きい色から順に進めていくと刺し始めや刺し終わりの糸の処理がラクになる。
・どのように刺し進めていくと糸に無駄が出ないか、きちんと計画立てて進めよう。糸に無駄が出ると裏側が汚くなりやすく、糸が絡まってしまったり余計な糸が表に出てきたりと、仕上がりに影響してしまう。
・休憩したい場合や次の日に持ち越したい場合は、「この色が終わったら」「お花を全部仕上げてから」など、キリのよいところまで進めてからにしよう。中途半端なところで終わらせると、ステッチのやりとばしや段ズレが発生しがち。
冷静に集中しながら進めるのが、うまく仕上げる最大のコツ。とはいえ、正確にやろうと根を詰める必要はない。
記事中の裏面の状況をご覧いただければおわかりかと思うが、ステッチの向きや糸の処理はかなりデタラメである。それでも、表はほぼ見本通りに仕上げることができた。おそらく、表さえきれいに仕上げられたら、多少ルールを破ったり裏が汚かったりしてもよいのだ。
もっといえば、表だって少しくらい失敗していてもいい。とにかく完成まで持っていければ、「またやってみたい」「次はもっとここを上手に」など、次回への意欲と改善点が見いだせるはずだ。手芸を好きになるための一歩を踏み出せれば、この自由工作は大成功といえるだろう。
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