
静岡県
山のスタンプラリーアプリ(R)「YAMASTA」(以下ヤマスタ)で、2025年6月2日から11月30日(日)までの期間中、「富士山登山ルート3776スタンプラリー」が開催される。昨年が初開催のこのスタンプラリーは、静岡県富士市の「富士塚」あるいは「ふじのくに田子の浦みなと公園」をスタート地点として富士山頂剣ヶ峰を目指す、標高差日本一のスタンプラリーだ。開催期間中、「富士山登山ルート3776」に沿った12カ所でデジタルスタンプが獲得でき、その場所の風景や歴史にちなんだデザインが楽しめる。
今回は、「富士山登山ルート3776スタンプラリー」開催の意図やターゲット、昨年開催時の反響などについて、ヤマスタの担当者に話を聞いてみた。
――「富士山登山ルート3776スタンプラリー」開催の意図や狙い、ターゲットを教えてください。
富士市は日本一高い富士山と日本一深い駿河湾を擁し、海岸で水垢離(みずごり)と呼ばれる精進潔斎(しょうじんけっさい)を行い、安全祈願してから富士山に登るという、古くからの歴史がある場所として知られています。富士山が2013年6月に世界文化遺産に登録されたことを契機に、2015年7月に富士市がユニークな地形と伝統をブランド化した「富士山登山ルート3776」を設定しました。以来、富士市では「富士山登山ルート3776」をシティプロモーションや観光誘客のトピックスとして活用し、富士市の魅力を世界中の人たちに発信し、ブランディング強化に取り組んでいます。
その後、昨年2024年に富士市からヤマスタへの事業委託のお声がけをいただき、「富士山登山ルート3776」をヤマスタでスタンプラリー開催する運びとなり、今年で2年目の実施となりました。本スタンプラリーイベントを通じて、「富士山登山ルート3776」の認知拡大や、来訪のきっかけ創出、地域内周遊の促進を図り、さらに挑戦者の達成感や記念性を高めることを狙いとしています。
ターゲットは、登山初心者や女性、親子層を含む、自然の中を歩いて巡ることが好きな層になります。そのため、日程ごとのルート達成に応じて記念缶バッジを配布するなど、一部区間だけでも体験できるような仕掛けを用意し、連続した日程でなく日を分割しての挑戦も可能にしています。とはいえ、チャレンジングな内容のため、参加者としては40代~50代の男性の割合が大きい状況です。
――海抜0メートルから富士山を登るルートに注目したスタンプラリーのアイデアはどのように生まれましたか?
「富士山登山ルート3776」は、海抜0メートルから富士山頂まで、総距離約42キロメートル、標高差3776メートルを歩く「日本一の標高差に挑戦する壮大なルート」です。富士市は、このユニークなコンセプトを国内外の多くの人にわかりやすく魅力的に伝える方法として、旅の軌跡を可視化・記録化できるスタンプラリーを採用し、企画しました。「富士山登山ルート3776」は、一般的な5合目からの富士登山と異なり、麓の街中を歩く行程が長いのが特徴です。この時間を単なる「大変で退屈な移動」ではなく、地元の魅力に出合う楽しい散策として体験してほしいと願い、各所にチェックポイントを設けています。
――「富士山登山ルート3776スタンプラリー」の特徴を教えてください。
「富士山登山ルート3776」は推奨日程が3泊4日ですが、誰もが参加できるように考え、連続した日程で一度に歩き切らなくても、複数回に分けて登る「分割」での挑戦を可能なルールにしています。イベント期間中であれば、ご自身のペースで好きなタイミングで挑戦でき、始めやすく続けやすい仕様になっています。
ほかにも、ヤマスタで獲得できるスタンプのデザインは、チェックインポイントごとに異なり、チェックインポイント周辺地域の景色や名物、歴史などのトリビアにちなんでいるため、獲得する際のワクワク感を高め、地域を知るきっかけになっています。スタンプラリー達成者には、ノベルティをお渡しすることで、挑戦者の方のモチベーション向上や参加促進、達成感や記念性を高めています。
スタンプラリーが「富士山登山ルート3776」へ出かける動機となり、海や山などの自然、街、おもてなし、富士山登山の歴史など地域の魅力を感じてもらえればと考えています。また、ヤマスタ内では、飲食や宿泊をお得に利用できるクーポンを発行しています。地元グルメや宿泊の楽しみによって、富士山登山がさらに充実した体験になれば幸いです。
――「富士山登山ルート3776スタンプラリー」のこれまでの反響を教えてください。
延べ約3500人がスタンプラリーで富士市に来訪しています。行程の長さゆえに達成感に言及する感想が多いですが、「富士山登山ルート3776」の事業が富士市民に浸透しており、市全体でおもてなしの機運が高まっていることもあり、参加者と地元住民の交流についての反響もいただいています。
【実際に寄せられた参加者の感想(一部)】
・大変だったけど楽しかったです。
・大きな達成感を感じました。
・歩いていると地元の方が声をかけてくださるので、気持ちよくチャレンジできました。
・初めて挑戦させていただきましたが、富士山だけでなく、麓の地域の方のあたたかさや町ぐるみでの盛り上げにとても感動しました!
・地元の方々もスタンプラリーに挑戦中と気づいてくださり、とても親切にしていただきハートフルな出会いもたくさんありました。この企画を知って参加できて本当によかったです。
「富士山登山ルート3776スタンプラリー」が楽しめるヤマスタは、山や自然を巡るスタンプラリーアプリ。山頂や観光名所などの所定の場所でアプリ内のチェックインボタンを押すと、その場所ごとにデザインされたデジタルスタンプが発行される仕様になっている。ヤマスタには、今回紹介している富士山のスタンプラリー以外にも、多くの登山ルートやハイキングルートなどが登録されており、山のスタンプや限定グッズ集めを楽しめる。そんなヤマスタそのものの魅力や現在のコース数などについても、担当者に話を聞いてみた。
――この記事で初めてヤマスタを知るという読者に伝えたい魅力を教えてください。
ヤマスタの楽しみ方の一つは、全国各地のスタンプラリーを基準におでかけ先を決めることができる点です。スタンプラリー対象のポイントには、初めて知るような場所も多く含まれているので、スタンプラリーの達成を目指して馴染みのない場所にも足を運ぶことで、新しい魅力を発見することができます。目的はスタンプの獲得であったとしても、その道中には思いがけない景色や、すばらしい土地の名産品との出合いがあり、オリジナルデザインのスタンプとあわせて思い出に刻まれる点が魅力です。
また、もう一つの魅力は、スタンプを集めるともらえるノベルティです。スタンプの収集状況やスタンプラリーの達成状況に応じて「達成認定証」や「記念缶バッジ」をゲットでき、「製特ピンズ」の抽選にも応募することができます。これらのノベルティはシリーズ化された統一デザインとなっているため、多くのユーザーさんに楽しんでいただいております。スタンプラリー参加の記念や、達成の証として、思い出とともに大切にしてもらえればと考えています。
――現在、ヤマスタにはどのくらいコースが設定されているのですか?
日帰りで達成可能なウォーキングコースから、「百名山スタンプラリー」のように何日もかけていくつもの山を巡る73コース(※)を用意しています。
※2025年6月26日時点のコース数
スタンプラリーの中には、旅情あふれる「東京11島ホッピング」、ファミリー向けの「親子で登る山」や、「山グルメ」のような変わり種、「関西歴史・伝承ハイキング」や「戦国武将ゆかりの山」のような渋いものまで実にさまざまなルートがございます。老若男女問わず楽しめる、思わず「出かけたい!」と思ってもらえるようスタンプラリーを試行錯誤して企画しているので、ぜひお楽しみください。
歩みを進めるにつれ迫力を増す富士山の姿は、麓からの登山ならではの醍醐味。過去に富士山に登ったことのある人も、今年こそ登ってみたいと思っている人も、新たな富士山の魅力に出合える「富士山登山ルート3776スタンプラリー」に挑戦してみては?ほかにもたくさんのコースを提案しているヤマスタアプリもチェックしてみよう!
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※「山のスタンプラリーアプリ」は山と溪谷社の登録商標です。
※閉山期間の山頂への登山はお控えください。「富士山頂 剣ヶ峰」は、富士山開山期間中のみチェックインができ、スタンプを獲得することができます。
※3泊4日の行程は推奨日程です。各日程分はスタンプラリーの実施期間中であれば、自由な日程で巡ることが可能です。何日かかっても、各行程の達成が連日でなくても問題ありません。
文=平岡大和
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