群馬県
旅行好きなら知らない人はいない、数多くの愛される施設を展開する星野リゾート。「旅を楽しくする」をテーマに、「星のや」、「界」、「リゾナーレ」、「OMO(おも)」、「BEB(ベブ)」、「LUCY(ルーシー)」など6つのホテルブランドと個性的な施設を国内外に展開している。
今回は“最高の尾瀬ハイクがはじまるホテル”をコンセプトとする「LUCY尾瀬鳩待(おぜはとまち) by 星野リゾート」(群馬・片品村、以下LUCY尾瀬鳩待)へ。同ホテルは、2025年9月に「LUCY」第1号として開業した施設。ハイキング初心者にもおすすめだというこの山ホテルに実際に宿泊して、コンセプト通り“尾瀬ハイキング”を満喫してきた!
「LUCY尾瀬鳩待」がある鳩待峠(はとまちとうげ)は、標高1591メートルに位置する人気のハイキングスポット・尾瀬ヶ原へ入る代表的な登山口だ。
尾瀬国立公園の中心的な散策エリア・尾瀬ヶ原は、木道が整備された区間が多く、歩きやすいため、ハイキング初心者にもぴったりの場所。夏でも平均気温は低めなのでヒンヤリ涼しく、湿原の景観を楽しみながら、気持ちよく過ごすことができる。
ただ、夏の尾瀬ヶ原トリップは、鳩待峠へ続く県道・津奈木鳩待峠線で、自動車・オートバイ利用を抑えるために“マイカー規制”が行われていることを知っておく必要も(※2026年は4月17日から11月5日(木)14時まで規制)。車で行く場合は、尾瀬第一駐車場などに駐車し、そこからシャトルバスや乗合タクシーに乗り換えて鳩待峠へ向かおう(※交通対策については片品村や尾瀬保護財団のサイトで要確認)。
尾瀬の玄関口・鳩待峠に位置する「LUCY尾瀬鳩待」は、尾瀬ハイキングをこれから楽しみたい人にとって絶好のロケーションに位置しているとともに、LUCYブランドにおける「6つのプロミス」で、山滞在における負担・不安の解消をサポート!
・「
プライベートな寝室
」
・「
いつもの温水洗浄トイレ
」
・「
シャワー&パウダールーム
」
・「
肉・魚・玉子の贅沢ごはん
」
・「
ホテル内にラストコンビニ
」
・「
充電・Wi-Fi 無制限
」
ハイキング前夜の食事や睡眠による身体の充電はもちろん、尾瀬での山体験がより豊かなものとなるような“LUCYオリジナル”のアクティビティやコンテンツも用意している。ハイキング当日も、不必要なものはすべて「LUCY」に預け、身軽な状態でスタートすることで、尾瀬を初めて歩く人でも無理なく心ゆくまで同所を楽しめる。
「LUCY尾瀬鳩待」の誕生の経緯については、「『LUCY』を立ち上げたのは、『山を楽しみたい』という観光ニーズが一定数いらっしゃったから。そして、星野リゾートが山ホテルを運営したら需要があるのではないか?と考えたからです」と、同ホテルのスタッフ。
「また、当社の代表の星野(佳路)は、世界の観光を見たときに、フランスやスイス、アメリカなどは自然資源を活かした観光が得意だということに気づきました。一方で、日本も四季があってすばらしく、尾瀬国立公園を含め、35カ所の国立公園がある。森林保護をしながら、そういったところを観光資源として活かしたい…そう考え、『LUCY』というブランドを立ち上げました。ちなみに、『ルーシー』という名前は、19世紀の英国の女性旅行家『イザベラ・ルーシー・バード』に由来しているんですよ。さまざまな場所を冒険した人で、日本でも、東京を起点に、西洋人未踏のルートで関東から北海道まで陸路を歩いて旅をした人物だと言われています。そんな彼女の冒険心や好奇心にインスピレーションを得て名付けられました」(スタッフ)。
「LUCY尾瀬鳩待」は、山小屋の素朴さとホテルの清潔感を合わせたような外観、背後の森や山並みを邪魔しないスケール感がポイントだ。自然との調和を大切にしている。
そこに隣接する、カフェとショップの機能を備えた「はとまちベース Cafe & Shop」も、窓が大きく、自然と一体となるようなデザインに。「LUCY尾瀬鳩待」と同様に、「中にいても外にいても自然を感じていただけるようにしています」とのこと。さらに、豪雪地帯ということで“冬季に4メートル以上積もる雪への対策”もテーマの1つとなっており、雪荷重に耐えられる屋根の形も特徴的だ。
「LUCY尾瀬鳩待」の客室は、1名利用でもしっかりとプライベート空間を確保できる「ドミトリー」、友人同士やカップルでの利用に適した「ツインルーム」、小さな子ども連れファミリーやグループでも自由な交流や滞在が可能な「フォースルーム」の3タイプある。山滞在を快適に楽しむための重要な要素として、“プライバシーを担保した個室空間”と“快適な睡眠空間の確保”が挙げられるが、同ホテルでは、こうした要素を満たした、ニーズに合う客室を選ぶことができる。
鳩待峠へは、乗り換え不要の直通高速バス「尾瀬号」(バスターミナルの「バスタ新宿」〜尾瀬戸倉・大清水・沼山峠)を利用するのが便利で、所要時間は約4時間だ。例年、季節運行があり、5月下旬~10月中旬にかけて、1日約3便運行されている。高速バスが尾瀬戸倉に着いたら、鳩待峠へはシャトルバスor乗り合いタクシーに乗り継いで行こう。
新幹線利用の場合は、東京駅から上越新幹線で上毛高原駅へ行き、路線バスで尾瀬戸倉へ。そこからはシャトルバスor乗り合いタクシーで鳩待峠を目指そう。(※詳細は関越交通のWebサイトを要確認。鳩待峠は、尾瀬国立公園内のマイカー規制エリアに位置しているため、施設到着にはシャトルバスの利用が必須。来訪前にバスの運行時刻を要確認)
「LUCY尾瀬鳩待」に隣接する「はとまちベース Cafe & Shop」は、尾瀬ハイク前後のカフェタイムやランチタイムに利用できる。カフェのおすすめメニューは名物の「花豆ソフトクリーム」(700円)。花豆をふんだんに用いた濃厚な味のソフトクリームは、尾瀬ハイク後の“ご褒美スイーツ”として愛されているという。
また、ショップには登山グッズもしっかりとそろっているので、事前調達が間に合わなかったアイテムや忘れ物があっても現地調達が可能。本格的なトレッキングシューズをはじめ、日焼け止めや虫よけミスト、LUCYブランドオリジナル商品やお土産品もあるのでぜひチェックしたい。(※「はとまちベース Cafe & Shop」は日帰り利用が可能)
夕食のメインメニューとして同所で提供される「LUCY豚汁ご膳」(セットで2500円)も魅力的だ。素材の旨味や食感を味わえるよう大きめにカットした野菜に、ボリューム満点の豚肉。さらに、くずしながら食べる大きなすくい豆腐もIN。
料飲担当は「この地域には豆の文化があるので、上州の麦豚と味噌、豆腐、ゴロゴロ野菜を組み合わせて豚汁のメニューを提供することにしました。ベースは2種をブレンドした濃厚な特製味噌で、そこにゴボウ、ニンジン、大根、こんにゃく、豆腐、豚肉を入れ、ニンニクや生姜で味を調え、じっくりと煮込んでいます。途中で七味を入れて味の違いを楽しんでいただくのもおすすめです」と説明。ボリューム満点で、身も心も温まる一杯だ。
「LUCY尾瀬鳩待」には“尾瀬ハイキング前夜”を楽しむアクティビティも用意されている。宿泊者専用テラスでは、景色を見ながらコーヒーを味わう「はとまち珈琲時間」(お菓子付コーヒーセット2500円/1セット2名4杯分※予約不要。当日の準備に限りあり)で、心満たされる体験を。
すき間時間には、尾瀬の散策にあると安心な「熊鈴」をパラコード編みで作ることができる「オリジナル熊鈴作り~パラコード編み体験~」(1200円※予約不要)を楽しみつつ、次の日のハイキングに備えて。
夜は、標高1591メートルの尾瀬で「夜のはとまち星めぐり」(無料※予約不要。雨天時は開催を中止)を体験して、天の川や流れ星を観察!スマートフォン設置可能な望遠鏡で撮影した写真は、特設プリンターで印刷できるので、記念に持ち帰ろう。
早起きして、ホテル内の「24Hラストコンビニ(Food & Drink Station)」で朝食を取ったら、メインイベントの尾瀬ハイクへ。
夏でも風が吹いたり、雨が降ったりすると肌寒く感じることがあるので、長袖やロングパンツを着用して出発!速乾性の下着(綿の下着はNG)や、しっかりとした靴下、防水の登山靴、レインウェア、最低一人1リットル以上の飲料、行動食を用意することも重要だ。今回、尾瀬ハイクを案内してくれる「LUCY尾瀬鳩待」のスタッフは「基本はレイヤリング(重ね着)で、寒ければ重ねて、暑ければ脱いで、マメに体温調節をしてくださいね」と話していた。
初めてハイクにチャレンジするという人には、ハイキングに行くのにあると嬉しいアイテムをセットにした「LUCYハイクセット」(3800円/宿泊者限定。要予約。先着10名まで)もおすすめ。初心者でも疲れない22リットルの登山リュックの中には、ドリンク入り水筒、行動食にもなるおやつ、尾瀬ハイクのしおり、携帯用クッションなどが入っているのだ。
「購入はちょっともったいないかも…」という人向けに、LUCY尾瀬鳩待では「やまどうぐレンタル屋」との提携サービス「ハイクアイテム事前レンタル」も。登山アイテムを必要なだけお得にレンタルできる。事前にWebサイトまたは電話で申し込むと、3~5日前に自宅に到着する仕組みで、「手ぶらで行きたい!」という人は受取先をLUCY尾瀬鳩待にすることも可能。普段着で行って尾瀬ハイクに行き、ハイク後は使った状態そのままで郵送返却すればOKという便利なサービスだ。
尾瀬沼、大江湿原、燧ヶ岳(ひうちがだけ)、至仏山(しぶつさん)などで構成される国立公園・尾瀬では、高山植物など自然をたっぷり楽しむことができる。木道がきれいに整備されていて歩きやすいのも、初心者にとってはうれしい。
ハイク中は、湿原にある池沼「池塘(ちとう)」で、モネの絵画のような風景を見たり、その池塘に浮かんだヒツジグサや、紫色のカキツバタ、アザミといった花々を写真に収めたり。ヤチヤナギのさわやかな香りも最高で、記者は「香りを瓶に詰めて持って帰れたらな~」(※植物の採取はNG!)と思った。
そして一番のハイライトとなったのが、今年は7月中旬前後が見頃だった多年草・ニッコウキスゲの群落。目の前に広がる黄色くて可憐なニッコウキスゲの群生は息を飲むほどの美しさだった。
そこからは折り返し、帰路へ。最後は、まるでラスボスのような坂道(上り)が待ち構えているが、クリアすれば大きな達成感を得られるだろう。ちなみに、今回歩いた距離は約10キロメートルで、小さな歩幅で歩いたこともあって、歩数は2万5000歩ほどに。途中で休憩も入れ、6時間ほどのハイキングとなった。
群馬県 尾瀬 鳩待峠
標高:1591メートル
営業期間:2026年4月29日~10月24日(土)
日中の平均気温:4月7度、5月13度、6月17度、7月22度、8月23度、9月18度、10月12度※朝晩は冷え込みが厳しく、日中よりも10度ほどマイナス。暖かく体温調節が可能な服装で行こう
ハイク地点までの距離:山ノ鼻(3.3キロメートル、60分)、牛首(5.5キロメートル、120分)、竜宮(7.7キロメートル、160分)、ヨッピ吊橋(9.2キロメートル、210分)、至仏山山頂(6.3キロメートル、240分)、アヤメ平(5.3キロメートル、150分)
チェックアウト後もシャワー&パウダールームを利用できるので、さっぱりと汗を流し、預けていた荷物もピックアップして鳩待峠を後に。
最後に「はとまちベース」に立ち寄って、ランチタイムの「山菜ぶっかけ蕎麦(冷)」(1880円)や、「湯葉きのこあんかけ蕎麦(温)」、「はとまちビーフカレー」(1600円)を食べ、旅の締めくくりにぴったりなご当地みやげを購入したら、週末ハイクの満足度がアップするハズだ。
日本百名山・谷川岳の中腹に位置し、山の新しい魅力に触れられる“360度天空公園”「谷川岳ヨッホ by 星野リゾート」では、2026年7月18日から9月30日(水)まで、雪解け水での納涼体験「ひんやり天然足水」を開催中だ。真夏でも水温10度前後を保つ水に足を浸けながら、日本三大岩壁・一ノ倉沢の絶景を楽しむことができる。
近くで宿泊するなら「星野リゾート 界 鬼怒川」(栃木・日光)または「界 草津」(群馬・吾妻)へ。
「界 鬼怒川」は、鬼怒川の渓流沿いにある丘の上に建ち、温泉街の喧騒から一線を隔した木漏れ日の中に佇む瀟洒な宿。益子焼や黒羽藍染、鹿沼組子など、“栃木の手仕事”を身近に感じられる内装で来訪者を迎えてくれる。ここから谷川岳へ行くなら、車利用の場合は約3時間ほどだ。
「界 草津」から谷川岳へは、車で1時間40分ほど。同宿は、2026年6月7日に開業したばかりで、草津白根山の麓に広がる高台に位置する。自然に囲まれた湯宿で感じる“静寂の癒やし”や、趣の異なる2種類の源泉、世界的テキスタイルデザイナーが手掛けたアートな“ご当地部屋”が特徴で、心地いい時間を過ごすことができる。
夏の避暑旅にぴったりの週末ハイク&週末登山。デジタルから離れ、自然に触れてパワーチャージすれば、月曜からまた、新鮮な気持ちで仕事も頑張れそうだ。
取材・文=平井あゆみ
写真=樋口涼
※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。
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