
千葉県
東京ディズニーシーのロストリバーデルタにある「ハンガーステージ」で2025年7月16日、新しいエンターテインメントプログラム「ドリームス・テイク・フライト」がスタートした。同ステージでショーが公演されるのは、2020年2月に「ソング・オブ・ミラージュ」が終了して以来、5年5カ月ぶりのこと。期待に胸を膨らませてプレスプレビューに参加した筆者が目にしたのは、12人の多彩なキャラクターと大勢のダンサーたちによる、見応え満点のライブパフォーマンスだった。歌とダンスの魅力にあふれたショーのレポートと、開発担当者へのインタビューをお届けしよう。
飛行機の格納庫を劇場に改装したというバックグラウンドストーリーを持つ「ハンガーステージ」。今回のショーでは、ディズニーの仲間たちが力を合わせて飛行機づくりに奮闘する様子が描かれ、劇場の雰囲気ともマッチした内容になっている。初めに登場するのは、飛行機工場の工場長・ピートと、彼のもとで働くミッキーマウス。オーバーオール風の赤い作業服を着たミッキーマウスが、多数のダンサーとともに踊るオープニングは、シンプルにかっこいい!この時点で一気に心をつかまれる人も、多いのではないだろうか。
塗装係のドナルドダックがメインとなる次のシーンでは、突然の大雨に見舞われ、工場が雨漏りしてしまう。ペンキ缶に雨粒が落ちると、その音が軽快なリズムに変化。筆を持ったドナルドダックの動きに合わせ、ステージに色が塗られるような演出が行われ、コミカルなパフォーマンスが展開される。しかし、最後はピートに「なんだこの騒ぎは!さっさと片付けろ!」と怒られてしまい、ドナルドダックが退場。飛行機職人の休憩時間を描くシーンへと移っていく。
ドナルドダックらしいドタバタな前シーンとは打って変わり、ここでは職人の青年がギターを奏でながら、「リメンバー・ミー」にのせて家族への想いを歌い上げる。美しい高音にうっとり聴き入っていると、その想いに導かれるようにミゲルが登場。2人の歌声が重なり合い、温かいハーモニーで会場を包み込む。
しっとり感動的な雰囲気も束の間、その後は道具調達係のチップとデールが現れ、“リズム演奏会”がにぎやかにスタート!ドラム缶など飛行機工場ならではの道具を使った、リズミカルな演奏が繰り広げられる。さらに同シーンでは『ライオン・キング』のティモンも登場し、ボディーパーカッションを披露。「ハクナ・マタタ」に迫力あるリズム音が加わり、会場の熱気がグングン上昇していく。シーン後半ではティモンやダンサーが客席へ。観客も一体となって大いに盛り上がる。
この後の停電のシーンでは、電気技師を務めるグーフィーの息子・マックスが、修理に駆けつけ大活躍!マックスと仲間の電気技師たちは、ネオンカラーのリングなどを身につけており、それらが暗闇で輝きながら、エネルギッシュなストリート系ダンスが繰り広げられる。この照明効果を駆使したパフォーマンスが、ノリのよいクールなダンスナンバーにベストマッチ!マックスのかっこよさが最大限に引き出されたシーンといえるだろう。
停電のアクシデントを乗り越えたところで、飛行機のパイロットを務めるミニーマウスが登場。大空への想いや夢、願いなどが表現された美しくも力強いナンバーが、観客の心を打つ。ミニーマウスの想いに呼応するように、メリダ、モアナ、ポカホンタスと、勇敢なプリンセスたちが次々に登場する点も注目ポイントだ。
ショーの終盤では再びミッキーマウスやピートたちが現れ、テンポよく飛行機が組み立てられていく。そしていよいよ飛行機が完成すると、ステージはお祝いムード一色に!このフィナーレのシーンでは、ピートが「大切なのはチームワーク、夢を持つこと。だろう?」とミッキーマウスに語りかける。これまで「遅れるんじゃないぞ」と急かすようなセリフも目立ったピートだが、職人たちとのやりとりを通して、心境に変化があったようだ。
心温まる雰囲気のなか、ショーはエンディングに突入。パイロットのミニーマウスが飛行機のタラップを上がり、いよいよ大空へ旅立つ時が訪れる。仲間たちの想いを乗せた飛行機が、美しい青空を飛んでいくラストシーンは感動的だ。
プレスプレビューの終演後には、プロデューサーの石原基成さんと演出担当の有賀美智さんによる囲み取材が行われた。
「ドリームス・テイク・フライト」にかける想いを問われると、石原さんは「コンセプトづくりから始めて3年ほどかけて完成したショーなので、そこまでの長い道のりを考えると、ようやくお披露目できるという気持ちです」としみじみ。「ハンガーステージの特性を活かしてどのようなショーにするか」という部分にもこだわったと言い、議論を重ねた結果、飛行機工場を舞台とするコンセプトに決定したそうだ。
「ドリームス・テイク・フライト」には、さまざまな作品のキャラクターが登場するが、工場長という役柄でピートが出演している点も印象的だ。ピートは大きな体をしたヤマネコで、ミッキーマウスのデビュー作として有名な『蒸気船ウィリー』にも出演している。東京ディズーリゾートのエンターテインメントには、2024年の春に初登場。ドナルドダックを主役とした東京ディズニーランドのパレードに2年連続で登場し、存在感を示していた。
そんなピートをショーに起用した理由について、有賀さんは「いつもちょっと大袈裟に威張っている、みんなのまとめ役的なキャラクター性から、今回の物語にふさわしいと思い、工場長にさせていただきました」と教えてくれた。
そして、特に注目してほしいシーンについても聞いてみると、石原さんは「すべてのシーンに見どころを散りばめているのですが…」と前置きしつつ、「マックスが停電のアクシデントを解決するシーンが私のお気に入りです」と回答。「まるで光が体に乗り移ったような、電飾とダンスが融合したシーンに、ぜひ注目していただければと思います」と見どころを語った。
有賀さんも「どこを観ても楽しくなるようにつくらせていただいた」と話し、ひとつのシーンに絞るのは難しい様子だったが、「どうしてもと言うならば、ミニーマウスのパイロットのシーンでしょうか」とコメント。「新しい未来に向かって勇気を持って進んでいくミニーマウスに、ほかの作品の主人公たちを重ね合わせることで、より奥行きを出していますので、ぜひご堪能いただければと思います」とアピールしていた。
「ドリームス・テイク・フライト」の公演時間は約25分。見どころが盛りだくさんなうえ、バラエティに富んだシーン展開も魅力の同ショーは、子どもから大人まで楽しめること間違いなし!家族みんなで鑑賞するのもおすすめだ。
取材・文=水野梨香
(C)Disney
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